近年よく聞くようになった「腸内フローラ」という言葉。便秘に関するトピックからスキンケアに関するトピックまで、美容・健康関連では必ずといっていいほど登場してくるキーワードですよね。
では、この「腸内フローラ」というものが一体なんなのか、しっかりと説明できる人はどれほどいるでしょうか? 「腸内フローラが乱れる」とはどういう状態のことなのでしょうか?
健康で美しい体を保つためにも、自分自身の体のことを内側から理解しておくことは大切です。今回は、知っているようで意外と知らない腸内フローラについての知識を深めていきましょう。
1分でわかる!!あなたの便秘タイプ診断
以下のいずれかに該当したらyesをクリック
- 最近寝不足である
- 暴飲暴食をした
- 最近野菜を食べていない
- 肉類など最近食べすぎた
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- 高齢者
- 多産婦
- 食事量の少ない人
- 最近運動不足である
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- 性別は男である
- 性格はまじめで神経質だ
- 気が弱い方である
- 几帳面である
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- 出産や子宮摘出手術の経験のある人
- 便が非常に硬くなる
- 水分をあまり摂らない
以下のいずれかの薬を服用している場合はyesをクリック
- 胃潰瘍の薬
- 抗ガン剤
- 制吐薬(せいとやく)
- 痛み止め
- 咳止め
- 抗うつ薬
- 抗パーキンソン剤
- 降圧剤
- 前立腺肥大症治療薬
おめでとうございます!!全て「no」だったあなたは今のところ便秘の諸症状は現れていません。ですがいつ便秘に悩まされるかわかりませんので、念のため下記の記事に目を通しておくことをオススメします。
急性便秘
弛緩性便秘
けいれん性便秘
直腸性便秘
器質性便秘
医原性便秘
腸内にお花畑? 腸内フローラの意味
まずは言葉の意味を押さえておきます。「フローラ(flora)」とは、英語で「お花畑」という意味をもつ単語のこと。つまり腸内フローラは、直訳すると「腸内のお花畑」ということになります。しかし、これだけでは意味がわかりませんよね?
実はこれは、腸内に住み着いている細菌の姿をお花畑にたとえた言葉なのです。私たちの腸内には、全部で600兆個もの細菌が住んでいるといわれます。そのなかには体に良い細菌も悪い細菌もありますが、それぞれ同じ種類の細菌ごとに寄り集まっているのが特徴です。その様子を顕微鏡で覗くと、ちょうど同じ種類の花同士が群生しているお花畑にそっくりだというわけです。
よって、「腸内フローラ」という言葉自体は「腸内の細菌の棲息状態」という意味でしかありません。それでは、腸内フローラのバランスが「整っている」とか「乱れている」とか言われるのは、どういうことなのでしょうか?
3種類の腸内細菌のバランスが重要
600兆個も住み着いている腸内細菌ですが、大きく分類すれば「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つに分けることができます。これは生物学的な分類ではなく、人間の体にどのような影響をあたえるかという視点からの分類です。
私たちの腸内の健康状態は、この3種類の菌の勢力図によって左右されます。この勢力図こそが、まさしく「腸内フローラのバランス」だというわけです。
善玉菌
善玉菌とは、その名のとおり体にとって有益なはたらきをする菌のことです。 ヨーグルトや乳酸菌飲料などのCMにもよく登場してきますので、聞き覚えのある人も多いことでしょう。腸のはたらきを促進したり、悪玉菌を退治したりしてくれますので、健康を保つためには欠かせません。
具体的な菌の名前としては、ビフィズス菌やフェーカリス菌、乳酸桿菌などが当てはまります。
悪玉菌
反対に体にとって悪いはたらきをするのが、悪玉菌です。腸内に有毒ガスを発生させたり、便を腐敗させたりします。健康面での悪影響はもちろんのこと、作られた有毒ガスは血液に乗って体中をめぐることになりますので、ニキビや肌荒れの原因になるなど美容面でも大敵です。
具体的な菌の名前としては、ブドウ球菌やクロストリジウム、ベーヨネラなどが当てはまります。
日和見菌
最後は日和見菌です。こちらは、ただその場にあるだけでは良いはたらきも悪いはたらきもしません。しかしほかの細菌からの影響を受けやすく、善玉菌の勢力が強いときには善玉菌の味方につき、悪玉菌の勢力が強いときには一緒になって悪さをするという特徴をもちます。ある意味では最も厄介な腸内細菌だといえるでしょう。
具体的な菌の名前としては、大腸菌やバクテロイデスが当てはまります。
理想的な腸内フローラのバランスとは
以上の3種類の特徴からわかるように、善玉菌が強い状態だと私たちは最も健康的に過ごすことができます。この状態のことを「腸内フローラのバランスが整っている」と呼んでいるわけです。逆に悪玉菌が強いと、日和見菌も悪さをはじめるためどんどん腸内環境が悪化していってしまいます。
ただし、実は悪玉菌はタンパク質の吸収を助けたり、免疫が過剰反応するのを防いだりといった良いはたらきもしています。そのため、悪玉菌を完全にゼロにしてしまうわけにもいきません。腸内フローラのバランスは「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」が理想的だとされています